新TOEICリーディングにスキミング・スキャニングが使えない理由

TOEICにスキミング、スキャニングといったテクニックが使えない理由 リーディング対策

TOEIC試験で時間が足りないので早く英文を読むテクニックを知りたい!
スキミング・スキャニングがリーディングに有効って本当?

この記事を読めば、こうした疑問を解消することができます。

結論から言うと、残念ながら新TOEICでは「スキミング」と「スキャニング」は有効なテクニックではありません。

 

以前と比べてTOEICは難しくなり、一部の情報を拾うような読み方では正解を選べなくなっていて、英文は全文読まなくてはなりません。そのために必要なのは、全文を読みきる「速読力」です。

速読力がないと、引っ掛け問題でミスをして思ったように点数が伸びなくなってしまいます。

この記事では、「スキミング」と「スキャニング」がTOEICで使えない理由と、速読力を高めるための勉強法を紹介します。

TOEICリーディングでスキミング・スキャニングが使えない理由

TOEICのリーディングでは、スキミングやスキャニングといった、一部の情報を拾って読むテクニックは通用しません。

「スキミング」とは、文章の概要を理解するために、ざっと目を通すこと。例えば、ニュース記事を読む場合に、各段落の一つ目の文章だけを読んで、何のニュースに関する記事か理解するために使います。
「スキャニング」とは、特定の情報を文章の中から拾って読むこと。英語試験の長文問題で、先に設問に目を通して、該当するキーワード(例えば人や時間、場所など)が、どこにあるか探す際に使います。

確かに、以前のTOEICでは使えるテクニックとして「スキャニング」などが紹介されていました。私が大学生のときに、TOEICを初受験した際の対策本にも書いてあったことを記憶しています。

当時のTOEICはかなり研究されていて、テクニックを使って短時間で正解を選ぶこともできました。

しかし、TOEICは年々難しくなっていて、2017年には新TOEICに移行しました。そして、1つの設問を解くのに、複数の箇所からヒントを集めないと、まんまと引っ掛け問題でミスしてしまうのです。

スキミングで断片的な情報を拾って、英文の要旨を理解しても、設問に対する正解を選ぶことはできません。スキャニングで、該当箇所だけ探して選択肢からを選んでも、別の箇所の情報を併せないと間違えてしまうこともあります。

そのため、TOEICリーディングで正解を選ぶためには、原則としてすべての文章(全文)を読む必要があります。

逆に言うと、テクニックが通用せず、正確かつスピード感をもって英文を読むという純粋な英語力が試されるようになったとも言えます。

ただ、普通に文章を読んでいては、ボリュームのあるTOEIC試験で最後まで問題を解き終わることは困難です。

それでは、TOEICのリーディング問題を解き終わらせるために、どのように速読力を身につければ良いでしょうか。

速読力を身につけるには、TOEICの長文問題の出題パターンを知ること、本文での音読トレーニングすることが有効です。

TOEICリーディングで速読力を身に付ける勉強法

TOEICリーディングで速読力を身につけるためには、
①TOEIC Part7の出題トピックを理解する
② TOEIC Part7の設問の形式を理解する
③TOEIC Part7で音読勉強法を取り入れる
という3つの対策が考えられます。

TOEIC Part7の出題トピックを理解する

TOEIC Part7に出題されるトピックにはパターンがあります。

そのため、話の展開を理解しておくだけで、かなり早く読むことができます。

極端に言うと、長文の冒頭を読んだだけで、トピックだけでなく、話の展開・オチまで予測できるようになります。

日本語のニュースでも、自分の知識のあるものだと、すぐに内容を理解できるのと同じですね。

 

 

TOEICのPart7のトピックでは、例えば、

お知らせ文書:イベント案内、報告書、広告、イベント告知、社内文書など
手紙・メール:仕事の問い合わせ、クレーム対応、社内通知など
テキストメッセージ(チャット形式):依頼関連、プロジェクトの進捗確認、アポイントなど
WEB関連:インターネット上の記事、コメント画面、評価など 等々

といったものが挙げられます。これらのパターン(話の展開・流れ)を必ず頭に入れておきましょう。

そのためには、勉強の際に何も考えずに長文を読んで問題を解いていてはいけません。
自分が読んでいる文章がどのパターンになのかを意識しながら読みましょう。

そうすると、数をこなすことで、自然と「これはあのパターンだな」と理解できるようになり、読んだ情報も自然と頭に残りやすくなります。

TOEIC Part7の設問の形式を理解する

TOEIC Part7に出題される設問のパターン(形式)にもパターンはあります。

・文書の目的、内容
・情報捜索
・選択肢照合(NOT問題、情報集中、情報分散)
・語彙(文脈)
・意図を問う
・文の挿入位置

こうしたパターンに慣れておくことで、長文を読む前に設問に目を通した際、「この設問パターンね」とわかるだけでなく、長文を読んでも「ここは設問で問われそうだな」という勘が働くようになってきます。

そのため、TOEIC Part7の設問パターンに慣れておくことで、設問を処理するスピードも上がり、正解率も高くなります。

各設問のパターンや例題は、「【TOEIC Part7対策】リーディング長文読解の音読勉強法 解くコツ」で紹介しています。

TOEIC Part7を使った音読勉強法を取り入れる

TOEIC Part7の速読力を上げ、正答率を上げるためには、徹底的にPart7の本文を使ったトレーニングが必要です。具体的には、本文を読む「音読」のトレーニングが有効です。

問題を解いて答え合わせして解説を読んで終わり、という勉強法では意味がない!

TOEICのスコアが上がらない人にありがちなのが、問題を解いて終わりという勉強法です。

本気でスコアを上げたいのであれば、本文を使って徹底的にトレーニングをすることが近道です。具体的なトレーニングの手順です。

①時間を意識して解く
②時間無制限で解く
③解答解説を見て解き方を理解する
④全文を精読する(文構造理解と単語調べ)
⑤音読する
⑥一つの問題集を繰り返す

中でも重要なのは、④の精読と⑤の音読のトレーニングです。

長文の本文だけでなく、設問や選択肢も含めて精読と音読をすることで、TOEICのパターンがどんどん身についていきます。

詳しい手順については、「【TOEIC Part7対策】リーディング長文読解の音読勉強法 解くコツ」のなかで紹介しています。

 

まとめ:新TOEICリーディングにはスキミング・スキャニングが使えないので、地道な音読トレーニングが重要

この記事では、新TOEICでは、スキミングやスキャニングといったテクニックが通用しない理由と、スコアアップに地道に音読トレーニングを通じた速読力強化が重要であることを紹介しました。

TOEICリーディングでの速読力を上げるためには、

①TOEIC Part7の出題トピックを理解する
② TOEIC Part7の設問の形式を理解する
③TOEIC Part7で音読勉強法を取り入れる

が重要です。

TOEIC試験で、時間が足りず最後まで問題が解き終わらない場合、簡単に使えるテクニックを探してしまうかもしれません。

しかし、TOEICのスコアアップに必要なのは、小手先のテクニックではなくTOEICの問題に慣れて、速読力を上げるという地道なトレーニングです。

 

才能がなくても、地道に続ける意志があれば、確実にスコアアップはできます。

この記事が、TOEICを受験者する方の参考になれば嬉しいです。