シャドーイングの正しい勉強法と継続のコツ[TOEICリスニング]

シャドーイングの正しい勉強法 継続のコツ リスニング対策

シャドーイングとは

シャドーイングに関する本を多数執筆されている玉井健教授は、2002年の講演「リスニング力向上におけるシャドーイングの効果について」において、次のように述べられています。

Shadowing is an act or a task of listening in which the learner tracks the heard speech and repeats it as exactly as possible while listening attentively to the in-coming information.

残念ながら日本語訳がありませんでしたので、私が仮訳したものを記載しておきます。

シャドーイングは、次に来る情報に注意深く耳を傾けながら、聞き手が聞いたスピーチの跡を追いかけ、できるだけ正確に繰り返すリスニング行為やタスクである。
(TOEIC Biz サイト管理人 仮訳)

文章だけでは少し分かりづらいかもしれませんので、次のように表すことができるでしょう。

聞いた音声: Shadowing is an act or a task of listening in which …
自分の声 :  [数秒遅れて] Shadowing is an act or a task of listening…

かえるの歌の輪唱をイメージすると、シャドーイングがわかるかもしれませんね。

一人目: かえるのうたが きこえてくるよ・・・
二人目:  [数秒遅れて] かえるのうたが きこえてくるよ・・・

もとは同時通訳者が取り入れていたトレーニングで、聞いた音声を「影(シャドー)」のように追いかけるトレーニングです。

この際、英文は見ずに聞いた音声だけで行うということに特徴があります。

同時通訳者は、聞いた英語の音声とほぼ同時(少し遅れて)日本語に通訳していく特殊な技術ですが、その前段階のトレーニングとしてシャドーイングが有効なのです。

英語音声: Shadowing is an act or a task of listening in which…
同時通訳:   [数秒遅れて] シャドーイングは、リスニングの行為やタスクで…
同時通訳者が取り入れるほど、リスニング能力の向上に極めて効果的なトレーニングです。

シャドーイングの効果

シャドーイングは、リスニングと同時にスピーキングの両方に効果があります。

<リスニング>
英語特有の音の変化(消失、繋がり)、スピードに慣れ、聞き取り能力が向上する

リスニングの能力を向上は、「どれだけ集中して英語を聞いたか」に比例します。

単に英語を聞いてリスニング問題を解くだけでは、決して英語を聞き取れるようにはなりません。

その点、シャドーイングをするためには、一語一句聞き取れていないと復唱ができません。

必然的に、集中して英語の聞き取りをすることになりますので、シャドーイングにはリスニング能力向上に効果があるのです。

次に、スピーキングの能力向上についてです。

<スピーキング>
発音・イントネーション・アクセント・リズムに慣れ、自然と口から英語が出るようになる

シャドーイングを通じて、英語の発音、イントネーション、アクセント、リズムをそのまま真似することで、スピーキング能力も向上できます。

実際の場面をイメージしながら、英語音声を完コピ(モノマネする)するようトレーニングできれば、必ずスピーキング能力にも繋がります。

シャドーイングのトレーニングを繰り返すことで、自然と口から英語が出るようになります。

TOEICの勉強の弱点である、スピーキングはできるようにならないという点を補うことができるのが、シャドーイングのトレーニングです。

シャドーイング トレーニングのやり方と注意点

シャドーイングのトレーニングは具体的に次の手順で行います。

(1)問題を解く(時間制限あり)
(2)何度も聞いて問題を解く(時間制限なし)
(3)限界が来たら(全てわかったor何度聞いてもわからない状態)答え合わせ
(4)本文チェック(精読、SVOCや単語のチェックなど)
(5)音読する
(6)音を聞きながら、音読する(オーバーラッピング)
(7)シャドーイング
・初めはスクリプト(会話文)見ながら3~4回シャドーイング
・その後、英文を見ずにうまく出来るまでシャドーイング(うまくできるまでは、英文をチラチラ見ながらでOK)
(8)一時間かけたとしても、一つの会話文・説明文を完璧にシャドーイングできるまでやる

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トレーニングの際、通勤中の電車内であれば大きな声を出してシャドーイングをするのは難しいでしょう。

その場合は大きな声を出さずに、周りの迷惑にならないくらい、小さな声で(口パクでも)シャドーイングすれば良いでしょう。

リスニング向上のためには、大きな声を出さなくても十分な効果があります。

スピーキングの向上のためには、発音やイントネーションを真似して声を出した方が効果的ですので、その場合は自宅など周囲に気を使わない場所でトレーニングするようにしましょう。

また、トレーニングの際は、イヤホンかヘッドホンを使うようにします。

自分の話した英文が耳に入ると、トレーニングが難しくなりますので、イヤホンで自分の声が耳に届かないようにした方が難易度がやりやすいです。

シャドーイングを続けるコツ

これだけ効果が高いと評判のシャドーイングですが、弱点はその難易度の高さです。

最低でもTOEIC730点、できればTOEIC860点は取得してから始めた方が良いでしょう。

実際、私がTOEIC860点前後を取っていたときに、シャドーイングを始めたのですが、うまく使いこなすことができずに挫折しました。

その後、数年間英語の勉強から離れていましたが、意を決して再開した際、次のような点に注意したところ、シャドーイングを身につけることができました。

・遅めのスピードから始める
・短い英文で一文ずつトレーニングする
・効果の感じられる素材を使う
・使いやすい教材を使う

これら全てを満たすのが、スタディサプリEnglish TOEIC対策コースという教材です。

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英文のスピードは、「遅い」「普通」「速い」の3段階から選べますし、英文も一文ずつ区切られています。

また、トレーニングの成果がTOEICスコアに反映されますので、効果も実感しやすいです。

できるようになるまでアプリで何度も繰り返しトレーニングできますし、英文表示のオン/オフも切り替えられるので、シャドーイング前段階の音読トレーニングにも使いやすいです。

実際、シャドーイングを続けることが出来た結果、TOEIC900点(リスニング480点/リーディング420点)を獲得できました。

効果はTOEIC900点獲得後の勉強にも役立つ

TOEIC900点を獲得した後の英語学習で実感していることですが、シャドーイングを身につけた結果、あらゆる英語の勉強に役立つことがわかりました。

例えば、英単語で有名な「DUO 3.0」という教材は、560の英文(約2500の見出し語)を約60分のCD音声で復習することができます。

リスニング能力が不十分だと、この音声CDを使いこなすことが難しいですが、シャドーイングを身につけたお陰で、単語の復習が容易になりました。

また、瞬間英作文のトレーニングにおいても、聞き取り能力が向上したお陰で「日本語⇒英語」のCD音声だけでもトレーニングをすることができるようになりました。

あらゆる英語教材の音声をシャドーイングすることで、そのフレーズを身につけることができるようになります。

シャドーイングの効果は、TOEICのリスニングでハイスコアを取得できること以上に、TOEIC卒業後にこそ表れるとも言えるでしょう。

まとめ

今回は、英語リスニングに効果抜群のシャドーイングの正しい勉強法と継続するコツを紹介いたしました。

是非ともシャドーイングを身につけ、TOEICの目標スコアを達成し、その後の英語勉強法にも役立てましょう。

サイト管理人がシャドーイングを身につけた際に使用した教材は、スタディサプリEnglish TOEIC対策コースです。

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